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岩月 輝希; 佐々木 祥人; 伊藤 剛志; 浅野 貴博; 天野 由記; 吉川 英樹; 中村 孝道*; 長岡 徹*
no journal, ,
幌延地域の地下深部における水-鉱物-微生物相互作用を解析するため、地球化学計算コードを用いた解析技術の開発を行った。実際の地下環境で観察される地下水の化学組成,鉱物組成,微生物組成及び室内実験で確認された水-鉱物-微生物相互作用プロセスに基づいて、その反応過程を再現するためのシミュレーション解析を行った結果、pHや酸化還元電位の経時変化を定量的に再現することができ、適用した解析技術が有効であることが確認された。
田中 万也; 鈴木 義規*; 大貫 敏彦
no journal, ,
微生物が形成するマンガン酸化物はさまざまな微量元素を吸着及び酸化することから、多くの地球化学者や微生物学者の関心を集めてきた。コバルト60は放射性廃棄物に含まれる重要な放射性核種の一つで、廃棄物からの漏出が懸念される。そこで本研究では、生物性マンガン酸化物によるコバルト60の移行遅延の程度を評価するために、マンガン酸化細菌に形成させたマンガン酸化物へのコバルト吸着実験を行った。コバルトをpH3及びpH6の10mM NaCl水溶液中で生物性マンガン酸化物へ吸着させXANES測定を行った結果、二価で添加したコバルトがマンガン酸化物により三価へと酸化されていることが明らかとなった。三価コバルトは二価に比べて溶解度が低いため、マンガン酸化物によるコバルトの酸化はコバルト60に対して移行遅延効果があると期待される。
香西 直文; 大貫 敏彦; 江夏 昌志; 佐藤 隆博; 神谷 富裕; 江坂 文孝
no journal, ,
放射性核種の環境中での移行における原生動物の役割を明らかにするために、Euを吸着させた酵母を用いてゾウリムシ培養を行い、その間のEuの挙動を検討した。原生動物の中でその性質が最も知られている単細胞動物であるゾウリムシをモデル生物に選んだ。Eu溶液に酵母を接触させると、酵母細胞表面にEuリン酸塩のナノ粒子が多数生成した。この酵母を用いてミドリゾウリムシ()を培養した。培養の間、酵母から培養液に溶出したEuは、酵母に吸着していたEuの0.1%以下に過ぎなかった。培養が進むと、膜状の沈殿物が生成した。この沈殿物は、酵母の未消化細胞及び消化残渣とそれらの間隙を充填する緻密な有機物から成る。培養の終わりには、酵母細胞消化残渣に多数のEuリン酸塩が観察された。これらの結果から、ゾウリムシは微生物のアクチノイド移行遅延作用を妨げないことが示唆される。
大貫 敏彦
no journal, ,
アクチノイドの長期的挙動予測においては鉱物あるいは微生物への吸着が重要な遅延機構と考えられていた。発表者はウラン鉱床付近の岩石の調査及び微生物とアクチノイドの相互作用の機構解明研究により、吸着の後に生じる鉱物化などのポスト吸着現象が移行を支配していることを明らかにした。ポスト吸着現象について、クンガラウラン鉱床における研究や酵母細胞表面におけるウランのリン酸塩鉱物化などの研究により得られた結果を紹介する。
大貫 敏彦; Jiang, M.; 上石 瑛伍*; 宇都宮 聡*; 田中 万也; 香西 直文; 鈴木 義規*
no journal, ,
酵母を用いてYbの微生物による鉱物化機構を明らかにする実験を行った。溶液のpHを3, 4, 5に調整したYb溶液に酵母を添加して、溶液中のYb濃度,pH変化を調べた。さらに、酵母を電子顕微鏡で観察した。その結果、溶液中からYbが除かれて、酵母細胞表面でナノサイズの鉱物が生成することを明らかにした。溶液中にはリンを添加していないにもかかわらず、鉱物はリンを含んでいた。これらの結果は、Ybが細胞表面に吸着し、細胞から溶出したPと反応してナノサイズのYbリン酸塩鉱物が生成したことを示している。